並行読み その3

『耳を切り取った男』 小林英樹 NHK出版

5月にゴッホ展に行って以来、ゴッホが気になっていました。

“どうして耳を切り取ったのか?”

「謎は全て解けた!」と、コナン君の様にすっきりしたかった。

小説と研究論文が混ざった読み物でした。

舞台はゴッホが理想に燃えて始めた“アルルの時代”の幕開けから始まりました。

この筆者の解釈では、ゴーギャンは、ゴッホへの嫉妬と名声欲が深い人物という事になっている。

ゴッホを支配したいゴーギャン

始めは、ゴーギャンから学び、芸術を議論する事に充実感を感じ、

彼に認められたいと感じているゴッホ

この構図は、ゴッホの才能にゴーギャンが心の中では敗北感を感じ始めた事から軋み始める。

体面を気にするゴーギャンゴッホをきちんと評価しようとしない。

ゴーギャンが自分で組んだセクトに無理矢理ゴッホを入れようとして対立し、

「そんな、人の意見を聞こうとしない耳ならいらないじゃないかぁぁ!」

と口論になった夜、ゴッホは耳を切り取ってしまった。。。

とても大雑把に書くと、この様な解釈で描かれていました。

さて、事実はどうなのか?

もっと他の本も読まないと大勢を占める解釈はわからないけれど、

ゴーギャンに好意的な解釈もあるのかな?

その後の自殺はどうしてなんだろう?

謎は更に深まった。