2008-01-15 ■ 「おやすみスプーン」 正津 勉おやすみ、スプーン わたしはおまえをそっと掌にうけて なんと囁いていいのか、もうわからない 掌にあるのは、オブラートの函だけ おやすみ、スプーン わたしはおまえをひゃと舌にのせて なんと祈ればいいのか、もうわからない 舌にあるのは、空っぽのコップだけ おやすみ、スプーン わたしのあのこはわたしを見すてて どこへ行ったものやら、もうわからない だからもうね、後生だからおやすみ おやすみ、スプーン 何度となく読み返しています。 この詩を教えてくれた宮川さんに感謝。