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- 作者: 池波正太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1984/11/27
- メディア: 文庫
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作法を対談形式で語られた言葉が本になっている。
おすし屋さんで、てんぷらやさんで、お蕎麦屋さんで、
お酒の飲み方、嫁姑、電話のかけ方、ファッション…などなど。
確かに東京の回らない(笑)おすし屋さんに入ると緊張する。
まず値段、どこに座るか、何から食べるか…腰が引ける場所だ。
でも、何も緊張することは無いんですよ〜と、
びびらず、しかも謙虚にスマートに、この高いハードルに向かう作法を教えてくれる。
なるほど!と思うところが沢山あり、通ぶってふるまうのは滑稽だという事もわかる。
ちょこちょこと、戦後の高度経済成長でマナーが崩れたなんていう話も出てくるのだけれど。
その時代を支えて来た人達にそんな事言われてもね…と思う。
嘆きたいのはわかるけど、そこをグッとこらえて、手本だけを示してほしいと思うのです。
でも池波先生、万事用意周到で完璧主義。
そうしないと、逆にストレス感じる性分なのでしょうね。
爪のアカでも煎じて…汗
- 作者: あさのあつこ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/08/07
- メディア: 文庫
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人物像を突き詰めて描くのが、あさのさんの作品だ。
『バッテリー』でもそうだった様に、
この作品でも同心の木暮、岡っ引きの伊佐次、殺されたおりんと夫の清之介の
“ひと”そのものを個別に描いていく。
どうしてこの人はこんなたたずまいなのか?を遡って解いていく。
人づきあいの中で、その人の一面だけを見て判断するのは間違いを犯すもとだ。
そういう物言いをする、そういう考え方をする要素が、どこで育まれていったのか?
猫をかぶっているのか、オブラートで包む方法を知らない人なのか、また、あえて包まない人なのか…
想像力を豊かにすると、もっと人に優しくなれるんだよ、と教えてくれる。
例えば、眠ったふりをして年上の人に電車で席を譲らない若者にあきれる!
という場面があったとしても、
その子は苦学生で徹夜のバイト明けかもしれない。腰痛持ちなのかもしれない。
以前に席を譲って“年寄り扱いしないで”と言われた事があるのかも。
もしかしたら、前に立ってるオバサンの方が100倍元気なのかも・笑
と、考えていけば、腹も立たない?
面白いのは、自分で生み出したキャラクター達なのに、
彼らをつかむために、あさのさん本人が苦心しているということだ。
それは想像も出来ないほど、苦しい作業なのだろうな…
だから面白いのですね。