そうか、もう君はいないのか

そうか、もう君はいないのか

肉親じゃなくて、伴侶の死。
男ってやつは、まぁ平均寿命のせいもあるけれど、
すっかりと自分が看取って貰える側だと信じ込んでいる。
まぁ、最近読んだ別の本には恐ろしい事が書いてあったっけ…
独身女性は白い夢を見る。それは結婚。
既婚女性は黒い夢を見る。それは子供とお金を手にし夫の葬儀をする夢。
キャ〜ッ!エグイ。
夢は妄想って意味だと思うけど、
作者が、既婚の女友達5人に聞いたら5人ともアルと答えたそうで。
あ、アメリカ人が書いた本ですが…(汗)
  
この作品では男の純粋さに心が洗われます。
先に逝ってしまった妻の回顧録です。
とてもウマが合ったのでしょうね。
この奥さんのお陰で、好きなスタイルで存分に仕事も出来た。
「父が遺してくれたもの」というタイトルで
最後の20頁は娘さんが書いている。
それを読むと、この作品は妻の死からだいぶ時間をおいてまとめられた事がわかる。
先立たれた直後は、現実を遠ざけ、
通夜も告別式もしない、したとしても出ない、出たとしても喪服は着ない。
お墓は決めても墓参りはしない、と駄々っ子の様だったことが書かれる。
「一睡もできないって初めて知ったよ」
「今まで眠れない、眠れないなんて言っていたけれど、そう言いながらも実は気付かぬうちに、
うとうとしていたんだと思うよ。でも、今回は違うんだよ。本当に一瞬も瞼を下ろすことができなかったんだよ」
 
奥さんも順番通りに夫を見送りたかったことでしょう。
だけれども、最後の最後に残る感想は
幸せな出会いがあって、それを育んで生きたことに
“おめでとう あなたの人生素敵ね”と言いたくなったということ。
TAKURO君はこれを読んで、
“そうか、君はもういないのか、という言葉に全て納得した”
と言いました。
それはやっぱり喪失感に関係する事だったんだなぁ…と。
あぁ。。。これだからTAKURO研究会だと言われる(爆)やめとこ。