♪1969アポロが月に

69(シクスティナイン) (集英社文庫)

69(シクスティナイン) (集英社文庫)

楽しく一気読み。
古本屋で時間を潰している時に目に入った本。
前から読んでみたかった。
1969年。どんな年だったんだろか?
物語は高校でバリケード封鎖やFESをした話が中心。
村上さんの実体験なの?そうなの?そうだとしたら…実にそれっぽいなぁ〜と思った。
あとがきには高校時代に私の周りで起こった事の一部を書いた、とあった。
メチャメチャで、ちょっと羨ましい。
60〜70年安保時代。
その頃学生だったオジ様方に、学生運動の話を聞いたことがある。
硬派・軟派の両方ね。
硬派は高校の時の先生で60年安保世代。
「俺達はあの学生運動の顛末で、国に失望し、何かを諦めてしまった気がする…」
と、言っていた。哀愁が漂い、ダンディですらあった。
一方、70年安保参加の会社の部長は団塊世代
「デモはね、友達に誘われると行ってたよ。タオルで顔覆ってさ、ワッセ!ワッセ!って。
顔がTVに映ると就職できないからね。で、終わると雀荘に行ってた・笑」
か、軽い…と思った。
でも、本も沢山読んでる方で、本当は何か思いを抱えていたのじゃないかと感じた。
69の主人公は後者。
目当ての女の子の気を引くために、バリ封を企て、自主制作の映画を撮る。
でも、本当は何かある。
その後延々と現在まで続くノンポリ世代のアタシ達とは違う何かがあったのだと思う。
何でも良いから、沢山見て、沢山読んで、沢山動こうという元気を貰った。